第5回日本NP学会

とてもローカルな学会に参加しました。

学会設立当初より、わりと参加している学会なのですが、年々普通の学会らしさを増してきている様に感じます。

 

今年の学術集会も、とてもたくさんの方が参加されているように感じました。

どうやら、NPと呼ばれる診療看護師という方々は、現時点で400人くらいなのだそうです。

診療看護師の方々は、学会が認定する資格認定試験に合格していますので、その方々だけで400人位ということです。

つまり、この400人位の方々は、みなさん大学院を卒業されているということになります。

 

さて、大学院とは以前は研究を行い、博士課程への通過点であったりといったものであったように思います。

しかし最近(最近でもないですが)は、専門看護師と呼ばれる方々もそうですが、臨床により特化した形で学位を取得されている方々が増えてきているということでもあります。

 

言い方を変えると、論文も読めない方々の集団である可能性もあります。

とはいえ、医師ですら論文を読まない方もいらっしゃるのだと思います。

かく言う筆者も、最近はあまり論文を読んでおりません。

 

確かに、論文を読まずとも仕事は成立します。

いろんな方に聞いて、それを実践していけば、あの人はこう言っていたかた、それを愚直に実践しています、ということで最初はOKなのだと思います。

 

けれども、月日が立つうちに、自分の行っているプラクティスの背景にある根拠となる論文/研究がなければ、臨床は成立しないと思います。

人に聞いて、師匠と弟子の関係性であれば、それでも良いのだと思いますが、いつかは師匠からは離れるときが来ます。

 

守破離という言葉があります。

最初は愚直に真似して、自分なりの実践をすこしづつ加味していき、最終的には師匠から教わったベースに加えて、自分なりの世界を構築していくものであると思っています。

 

つまり、独り立ちするということは、医療の世界においては、他者にいろいろ教えなければならないということでもあります。

それは、後輩であったり、他科の専門家の方であるかもしれません。

 

特に他科の場合は、専門的なことには不案内な場合が多いですので、色々と根拠を調べつつ他科に依頼を行います。

そこで、世界のトレンドとは言えない、根拠に乏しい医療を行っていれば、ほんとに良いのか路頭に迷うことにもなりかねません。

 

ということで、いろいろなコトやモノを知るには、自ら研究を行い、その成果を世間に発表していく必要性が生じます。

研究を1つ行うということは、実はとても大変なことで、その領域でわかっていることとわかっていないことを明らかにする必要があります。

 

そこで、関係する論文を一通り網羅する必要性が出てくるわけです。

 

今回のNP学会学重集会では、一般演題にも査読が採用され、多くの方が修正を求められたようでした。

抄録集を読んでいただければわかりますが、その割には、と言った内容のものがとても多いと思います。

そもそも、誰が査読を行ったのかもわかりませんし、査読者の質も問われると思います。

査読の結果によっては、他学会での発表に切り替えるという方もいると思います。

もう少し、査読という制度を検討してもよいと感じました。

 

ただ、学術集会自体は、たくさんの人が参加しており、特定行為を含む、診療看護師の方々の注目度も上がってきているのだと感じました。

 

一方、診療看護師(NP)の方々は、普通の看護師免許に加え、特定行為ができる看護師に過ぎないはずなのですが、大きな武器を持ち得ているような言い方をする方もいらっしゃいます。

 

NPという武器は使い方により、凶器にもなりえますし、良好な医療への貢献にもなりえます。

 

個人的には、NPのようなミッドレベルの看護師が、居てくれるというのはすごく頼りになります。

けれども、400人では日本の医療の臨床現場を支えていくのはとてもとても、無理です。

 

やはり、医療職のマジョリティである、看護師の活用が最も合理的であると感じます。

けれども、NPと呼ばれる方々は、特定行為のできる看護師との差をつけたがります。

大学院をでているとか、私のほうが医者と働いているから偉いみたいな方もいらっしゃいます。

 

ですので、先を見据えることが必要になるのだと思います。

例えば、原子力発電は短期的にはとても効率の良いエネルギーとなりえますが、長期的には管理の問題等もあり、必ずしも良いものとは言えません。

NPもそうなるべきで、今便利だからといって、先のことを考えずに働くと、あとで必ず問題は生じると思います。

 

NPの方々が、今後活躍する未来を構築するためにも、皆で手を取り合って、何かしらの成果を示すことが必要であると思います。

400人であれば、極端ですが、全数調査も行えます。

根拠の創出は、NPの方々のやる気次第であると思います。

是非とも、この学会が未来永劫より強固なものとなっていくことを願っています。