結論
・隙間とは,ブルーオーシャン
・医師がやりたがらない仕事は,診療看護師(NP)でも法制度の範囲内で上手に使うこと能力を発揮できるかもしれない
・指導医や指導してくれる立場の人に文句をいっても何も始まらない
隙間産業とはニッチ産業とも呼ばれます.
過去陽の光が当たらなかったところに,介入する.
まさにこれは,ブルーオーシャンです.
ブルーオーシャンとは,競合がいないことを示します.
その逆は,レッドオーシャンで,競合が多数いることです.
例えば,診療看護師は比較的ブルーオーシャンといえます.
ただ,ブルーオーシャンとするかどうかは,身の振り方次第です.
あくまでも資格は看護師なので,看護師と同じ仕事をしていては意味がありません.
看護師の資格に上乗せした,認定資格の良さを活かす事が必要です.
医師のマネごとがしたい人には向かないと思います.
一方で,過去陽の光が当てられてこなかった,いわゆる雑用の業務はときに効率的に機能します.
薬剤処方や毎日の包括指示の見直しなどがそれに当たると思います.
もっとも,薬剤に関しては薬剤師さんが行うのが,効率が良い気はしますが..
そもそも,診療看護師は薬剤の代行入力ができて,薬剤師さんは代行入力ができないわけではないけどあまりやらない.
この様なシステムは,あまり良くないと思います.
放射線技師さんの,造影剤投与ルートも同様です.
自分たちのリスクをとりたくない,というのが理由であれば全体を俯瞰したときにはあまり良い選択ではないかもしれません.
これが法的に,行ってはいけないことであれば,当然やめておいたほうがよいです.
これは,自動車の速度規制と似ています.
40km規制の道路を,40kmで走る人はあまりいません.
誤差の範囲内で,10km超過以内であれば警察も看過してくれると思います.
じゃあ,40kmの道路を50kmで走ってよいのか,と言われると本来はダメなわけです.
ただ,交通の乱れ(渋滞など)は発生するので,50kmで走ったほうが全体を俯瞰するとスムーズなのかもしれません.
ここでは,10kmの速度超過はしてもよい,と言っているわけではありませんので悪しからず.
このように,看護師が行って良い範囲というのがある程度決まっています.
けれどもそのルール(範囲)は,自分たちで決めたものではないですか?
物事は2言論ではうまくいかない事がおおいです.
2言論とは,YesとNoの2択というようなことになります.
回答としては,はいといいえの2択かもしれません.
しかし,はいといいえの間は本来グラデーションのはずです.
はい寄りといいえ寄りということになります.
その結果の回答が2言論というだけの話です.
最初から2言論で話を進めると全く噛み合わないことになります.
ある程度は相手の意見に耳を傾けつつも,総合的にある程度納得したところに落ち着ける事が必要です.
これを自分の主張ばかりを押し通そうとすると,嫌な思いをしながら物事を進めていくことになるので,モチベーションも上がらなくなるのは当然です.
人のやる気というのは,自律に依存します.
自分である程度組織の歯車として機能している,と感じることが重要です.
話をもどしますと,グレーゾーン(違法ではない範囲)に関しては,使い方次第です.
上手な使い方をすれば,医師の業務負担にもなりますし,診療看護師は看護師とはまた少し異なる働き方も可能になります.
特に医療業界は,変化を嫌います.
命を扱っているというのがその大きな理由です.
けれども,何事もチャレンジして解析しなければわからないことが多いです.
これを個人の感覚で判断してしまうと,大きな間違いになります.
個人の感覚はあくまでも,個人の感覚に過ぎません.
たとえるなら,バケツ一杯のゴマの1粒を見ているに過ぎません.
だからこそ,バケツ一杯のゴマからコップ1杯の集団としてのゴマを拾い上げ,分析する事が必要になるのです.
主観と客観は全く異なる事象を見ています.
主観がダメというわけではなく,どちらも大事という話です.
これがベイズ理論になります.
過去の統計学は,頻度論が全てだとされていました.
ベイズの功績は,頻度論に主観を取り入れたことになります.
相当なバッシングを浴びた様ですが,長年の歳月を経て近年では主要な手法で日常になくてはならないものとなっています.
診療看護師も客観的に物事を見つめ,解析を行うことが必要です.