診療看護師(NP)が最も習熟すべきものは何か

物事には、何でも専門性がありますので、極端な専門性はのぞいて、最も一般的に必要とされている知識は、内科学(Internal medicine)ではないでしょうか。

 

内科がわかれば、どの診療科でもある程度のプラクティスは可能です。

例えば、集中治療医になるには、麻酔や救急に上乗せされた知識が必要とされていますが、実際は内科の知識が最も必要であることは、臨床を行っている方にとっては、しっくり来るのではないでしょうか。

 

巷では、

胸腔ドレーンを何本いれました!!

中心静脈カテーテルを何本入れました!!

といった発表が多いですが、何度も繰り返しますが、「その先」を見据えた議論が必要だと思います。

 

一方、適切な内科の知識をもった、NPであれば、「〇〇の適応があるので、CVが必要、もしくはCVとPICC(末梢留置型中心静脈カテーテル)では、この患者さんには、これこれこういう理由から、必要/不必要だと思います」となるはずです。

 

よく、縦と横の診療と言われるものがあります。

横とは、横並びにバーっと検査を片っ端から提出し、その検査の結果を吟味するやり方です。

3次救急や、循環器など、時間が切迫している診療科で多いと言われています。

 

このやり方の問題点は、検査の特性を考慮していないことです。

例えば、D-dimerが上昇していたらどうするのか?というところまで考えていない、つまり先手を読まないと、後々苦労します。

 

一方、縦の診療とは、検査前確率がこの程度あるので、この検査を行って陽性となった場合の検査後確率はこの程度なので、この検査を提出します、ということです。

 

どちらが正しいかと言われれば、その時々でどちらも正しいと言わざるを得ません。

しかし、時間が許すのであれば、検査前/後確率を意識したプラクティスを行うべきであると思います。

 

NPの中には、片っ端から検査を代行オーダーして、検査の結果や他の医師が読影した読影結果からしか、診断出来ない方も多いと思います。

 

一方、キチンと診療しているNPは、問診や身体診察を大事にします。

つまり、検査のオーダーなど必要ないのです。

もちろん、現代の医学において、検査に頼らない診断はあまりありませんが、基本的な軸を持った看護師だからこそ、検査以外の実践で医師より秀でた知識や技術を実践すべきだと思います。

 

例えば、肺炎の診断を行うとします。

主訴、熱・咳・低酸素血症。

 

あるNPは、胸部CTと片っ端から血液検査をオーダー。

 

あるNPは、丁寧な病歴と身体診察より、肺炎の可能性が高いこと(ほとんど肺炎であるということ)を確信します。

さらに、痰のグラム染色より、原因微生物の推定まで行います。

その結果を医師にプレゼンし、胸部X線と、治療経過の為に必要な、血液検査のみをオーダーします。

 

結果は同じ、肺炎にたどり着くかもしれませんが、被爆や医療資源の観点から、何より思考過程を無視したプラクティスを、NPが行うということはあまり良いこととはいえません。

 

医師の下で働く以上は、医師に言われてそうしているのであれば良いのですが、それが当たり前となってしまい、しまいには私の手技はうまいですと、周囲にひけらかすような態度はどうにかしてほしいです。

そのような方々を、賢いナースは冷ややかな目で、各種学会での発表を見ています。

 

ナースの延長線上であるということは、検査機器に頼らずとも実践可能な、知識や技術をまずは身につけるべきだと思います。

CTの読影結果を見て、「肺炎です」と上級医にプレゼンすることくらい誰にでも出来ます。

 

賢いNPが増えているとは思いますが、一部の不真面目(というか本人はそれが正しいと思いこんでそれを、他者に強要する)なNPのせいで、この業界が悪く見られるのは、あまり賢い選択とは言えないのではないでしょうか。

診療看護師(NP)と特定行為看護師はどのように棲み分けるべきか

近年、診療看護師(NP)を取り巻く世界では、いくつかの団体がそれぞれ独自のアドバンスドナースを養成しようとしているようです。

そのへんは、全く詳しく無いので割愛します。

 

診療看護師(以降NPと記載します;日本版NPの事です)の問題を複雑化させているものが、「特定行為」であると思います。

特定行為とは、定められたいわゆる「医行為」の一部が、事前指示に基づき看護師の判断で可能とされているものです。

例えば、ナトリウムの管理などです。

 

けれどもこのナトリウムの管理については、以前からの疑問なのですが、どのように管理すべきなのかが謎です。

例えば、検査でナトリウムが低いということがわかります。

じゃあ、ナトリウムを補充しよう、とは通常というか、そんな事絶対にありません。

痙攣や意識障害が出ている場合は、別です。

 

何故そんな事絶対にないのかと言うと、プロセスが欠落しているからです。

プロセスとはつまり、「診断」ということになります。

ナトリウムが低いといっても、原因は様々です。

その原因を調べるためには、追加の検査が必要です。

 

例えば、偽性の低ナトリウム血症を調べるには、トリグリセリドや血糖値の測定が必要です。

他には、血清/尿中浸透圧や尿中ナトリウム排泄量やカリウム排泄量などです。

加えて、体液量の評価も行いますが、ここは極論、身体所見だけでもよいでしょう。

腋窩の乾燥などが有名です。

 

ということは、特定行為を行うには、検査のオーダーをすることが必要になります。

けれども、検査のオーダーは、特定行為には含まれていませんので、通常検査のオーダーは医師への依頼が必要になります。

医師へいちいち依頼していれば、この特定行為制度は何の意味も持ちません。

むしろ、医師が自分でやったほうが早いです。

 

加えて、慢性低ナトリウム血症は、ナトリウムの補正速度は、Rules of 6と言われ、1日に6mEq以内の上昇に留める繊細さが必要です。

ということは、検査をよりこまめにみて調整することが必要なのです。

 

ナトリウムが低い=塩分が少ない、わけではありません。

盲目的なナトリウムの負荷は、低ナトリウム血症では浸透圧性脱髄症候群という、最も遭遇したくない合併症の確率を高めることにもなります。

ですので、本来は検査のオーダーを可能とするような、文言が必要になります。

 

そもそも、検査のオーダーは医師のみしか出来ないのかどうかは知りませんが、臨床を長年やってきた経験では、医師のみにしか許されていない行為だと思っています。

 

このような特定行為を、NPとよばれる人と特定行為看護師と呼ばれる2種類の看護師が存在することになります。

けれども、2種類といっているのは、これらに関連する看護師だけであり、法的には1種類しか存在しません。

そのため、大学院を出ていようが、学位を持っていようが、NP資格認定試験に合格していようが、法律上はただの特定行為看護師なのです。

 

現在NPの活躍の場は、医師の代替としての活躍が多いと思います。

例えば、代行入力による検査や点滴・処方などのオーダーやカルテ記載などです。

加えて、医師の手技の助手や、自身が末梢留置型中心静脈カテーテル挿入などを行うことも可能です。

 

NPは、現行で認められている全ての定められた38行為が可能です。
特定行為看護師は、最大38行為〜1項目まで、様々な範囲のバリエーションを持つことになります。

 

NPはそもそも、関連団体が米国のNPを目指していますので、現行の法制度上で、そのような働き方を行っています。

一方、特定行為看護師は、看護の効率化がメインテーマですので、カテコラミンの原料や、人工呼吸器の自発呼吸トライアルなどが可能です。

 

人工呼吸の場合は、最終的に抜管はできないので、医師を呼ばなければなりませんが、自発呼吸トライアルが成功したのかどうかは、重要なファクターですので、チームとしての働き方を模索していけば、有効に活用することが可能です。

 

NPの仕事は、看護師免許でも同様なことができます。

棲み分けというよりは、看護師が責任をどこまで担う覚悟があるかということかもしれません。

 

責任は、自律への第一歩ですので、看護師がいろいろと決断し判断することで、医療を効率よく回して行く必要があります。

看護師は本来出来ることが沢山ありますが、その壁を作っているのが過去の教育です。

こんな事やっていいんだ、ではなく、やって良いことは正しい知識をみにつけて、積極的に行うべきです。

 

ただ、自分がやりたいからやるということもあります。

NPに多いです。

胸腔ドレーンを何本いれました!!

中心静脈カテーテルを何本いれました!!

というのは何の役にもたちません。

その結果、どうなったのか?ということが重要なのです。

これら、認められていない手技を自慢げに学会で発表している方がいらっしゃいますが、結局は医師の監督下に行わなければなりませんので、やはりその結果どうなったのか?が重要だと思います。

 

特定行為看護師は、10万人を目指してますが、個人的には全員に必要なスキルであると言えます。

そもそも、看護師が医師の指示受けだけによる、看護実践をする時代はもう終わりました。

今後は、主体性をもって、その先を見据えた看護師が必要になります。

中心静脈カテーテルや胸腔ドレーンを入れて喜んでいるようでは、話になりません。

たしかに、その様な手技の経験は必要だと思います。

けれども、それが仕事とは思いません。

 

今後NPと特定行為看護師が棲み分けるためには、NPの法制度化が必要だと思います。

そのためには、中心静脈カテーテルを入れましたとかいう、自己自慢ではなく、NPがいることによるメリットを提供することが必要だと思います。

 

まだ、数が少ないだけにお互い手を取り合っていきたいものです。

 

看護師の早期退職は是か非か

看護師は、とにかく退職する事が有名な職業です。
以前調べたら、1割以上の方が退職していました。

 

かくゆう私も、いくつかの病院で勤務してきましたが、退職を繰り返していると客観的には映るでしょう。

いくつかの病院で勤務してきた感想としては、看護の世界ではどこの病院でもほとんど同じということでした。

 

退職者がでれば、「根性がない」「忍耐がない」といった一辺倒の思考しかできない、それが大きな問題なのです。

 

それも、大学院をでたはずの看護師という方々が仰っているのでは、話になりません。

都合の良いときだけ、大学院卒業したと言っていますが、実際の臨床能力は決して高くありません。

 

ある特定の手技である、エコーや末梢留置型中心静脈カテーテル留置などができるからといって、その方の知識や医療全体を俯瞰した、医療人としての態度とは全くもって別物です。

 

ある特定の手技に関しては、やっていれば誰でも出来るようになります。

 

だれでも出来るようになりますが、それ以上成長するには、内省が必要になります。

 

例えば、外科系の代表ともいえる心臓外科の医師は、多くの手術を行う事で手術がうまくなったのか、と言われれば半分そうかも知れません。

しかし、半分以上(多分8割位)は内省であり、今回の手術でできたこととできなかったことを次の手術に活かしているのだと思います。

 

でなければ、毎日毎日同じ手術を行えるはずがありません。

 

流れ作業の工場で勤務する方々を、否定するつもりは毛頭ありませんが、次々とやってくるモノにたいして、決められた事を淡々と繰り返す事だけなら、飽きてしまいます。

 

流れ作業の領域でも、トヨタ生産方式などはとても有名ですが、多能工的視点を持つことで流れ作業も単なる流れ作業ではなくなります。

 

あるときに状態の悪いものが製品ラインに流れてきたとします。

その時に、流れ作業のラインを止める権利を与えられたら、その作業員は色々と考えることが増えます。

ただ単に、流れ作業の組立作業を行うだけでしたら、毎日のルーチンワークでしたが、5分間ラインを止めただけでも膨大な損失につながる権限を各作業員に与えるということは、単能工から多能工的な視点への変換が可能となります。

 

医療界にもそのような責任を問う態度が必要です。

 

医療者は、責任を負ってばかりです。

 

過去の常識を現代も持ち続けている人に成長の機会はありません。

 

常識は常に疑う態度が必要です。

 

そして、常識は毎日のように変わるものです。

 

それに気づけ無いということは、勉強不足以外の何者でもありません。

 

そういう観点では、新たな可能性を秘めている、診療看護師(NP)という職業が、未来を見据えているかどうかで変わってくると思います。

 

けれども、冒頭に述べたように、退職者がやめるのは、根性や忍耐が足りないと言っているようでは、いつまでたっても成長できないことは明らかです。

 

そのような方々は、看護師を下に見ています。

その態度は明らかです。

 

自分たちはどうなのか?常に問う態度が必要だと思います。

自分たちが敷いたレールが悪かったのではないか。

自分たちが勤務してきて悪かった点はなかったのか。

そして、その悪かったと感じた点を、次に活かせたのか。

自分たちが辛いと感じた事は、次の世代にも引き継ぐべきなのか。

退職の意思を提示される前に、気づけなかったのか。

なぜ、気づけなかったのか。

 

気づいたときには、もう遅いのです。

そんな組織への魅力はありません。

成長する機会があり、決断能力のある人だけが、次のステップへ進んでいきます。

 

それを傍目でみている先輩は、どこ行っても一緒だし。

今年は、もう一人目なんだね、と他人事です。

 

看護師がやめる影響で、自分たちの頸を締めていることに、そろそろ気づく努力をしましょう。

 

といっても、常識を変えようとしない、一部の方々には通用しないでしょうが。

 

退職された方には、次のステップで頑張って、さっさと先輩を超えてほしいものです。

看護師によるいじめはなくならないのか

この文章を記載しているときに、巷では新型コロナウイルス感染症が流行し、ある女性プロレスラーが死亡したことがニュースになっていました。

 

その女性プロレスラーについての記事を詳しく読んだわけではないのですが、推測するに「自死」だったのだのだろうと思われます。

 

ちなみに、「自殺」は「殺」という字が入りますので、遺族にとっては殺されたかのような思いが辛い場合もあるのだそうです。

そのため、報道機関によるガイドラインにもよるのだと思いますが、自死と表現する場合が多くあります。

 

他には、障害者ではなく、障がい者というのも「害」になっていると感じる方がいらっしゃるので、そのような方への配慮として、このような記載をされる場合があるのだそうです。

 

インターネット、特に匿名の世界では、平気で人を罵るような表現をされる方が多数いらっしゃるようです。

今回のプロレスラーも、そのようなある意味「いじめ」により自死を遂げられたのだと思います。

 

いじめに公的などという表現はありませんが、職場で起きるいじめも問題です。

職種に関係無いと思いますが、特に看護の世界は多分、トップレベルの離職率を誇ります。

 

この離職率の高さは、国家資格という後ろ盾のある専門職であるということも関係しているのだと思いますが、慢性的に人手不足に苛まれている看護職にとって、得策で無いことだけは誰でもわかります。

 

離職率の高さの原因の1つは、看護師の教育レベルの低さが1つの要因として挙げられます。

現在、年を召されている看護師の多くは専門学校を卒業し、せっせと医師の言うことをよく聞いて働いてきたからこそ、今のような立場に立つことができたわけです。

 

ある意味、1つの職場で勤務を継続されているということは素晴らしいのですが、時に害になる場合があります。

それが、「昔はこうだった」という経験を新入職者へ押し付け、押し付けられた賢い看護師はやめていくというスパイラルが、看護の世界には根深く成立しています。

 

「わたしたちの組織では」というのが口癖で、何もカイゼンしようとしません。

改善しようとするものは、離職へ追い込まれます。

 

上に立つものが賢くないばかりに、新入職者も同じような者しか育たたないため、いつまで立っても、看護の現場は変わらないのです。

 

近年、准看護師精度の廃止が言われていますが、良いことだと思います。

ただし、准看護師学校でセカンドキャリアとして学ばれている方々の熱意はすごく、そのような方々にとっての成長の機会を詰んでしまうのはよろしくないとも言えます。

 

そのため、セカンドキャリアとしても看護師というキャリアを選択できるような精度が構築可能となれば、早急に准看護師精度は廃止した方が良いと思います。

また、専門学校にしても、学校により教育レベルに差があるため、やはりこちらも可能な限り大学教育へ移管すべきです。

 

たとえば、看護師さんに英語の論文を見せると、怒り出す人がいます。

それが、お年を召された方々や、「私達の組織ではこうなんです」とおっしゃる方々です。

看護の世界は、科学が基盤ですので、その科学を基に実践しなければなりません。

 

これから先、考えることをしない看護師は淘汰されるべきです。

少しずつ変わっていくことを願います。

 

いじめの話しに戻りますが、ある架空のアンケートを以前掲載しました。

再掲します。

 

この看護師たちは、だれもこのアンケートをもらった者のことは考えておらず、そもそも自分たちの文句のはけ口としての利用しか考えていませんでした。

 

それも、師長が中心となって。

 

それは、対象者の頸にロープを巻き付け、すこしずつ知らぬ間に対象者の頸をみんなで締め付けているのと同じ行為です。

 

受け取り方は、それぞれ異なると思います。

しかし、重大に受け取る方もいます。

 

せめて、悪い点を記載する場合は、良い点も書いてください。

良い点を見つける努力をしてください。

 

プロレスラーの自死にそのように感じました。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

  • 片付けができていない、やったらやりっぱなしが続いた
  • 率直に一緒に働く機会があまりなく、評価しずらいというのが本音です。ただ、その中でも積極的にコミュニケーションを図っている訳でもなく、何をしているのか見えないことが多々ありました。後半の期間では、自分の受け持ち患者以外のサポートに入る姿はありました。
  • できていないところについて、きちんとスタッフに伝えたことが指導、いない所で言って他者から伝わるのは陰口になってしまうので、直接言って良いと思います。もう少し、看護師として入ってきてほしかった(それが目的だったはず…)。
  • NPとして、患者に何をしたいのかが一緒に働いていて見えて来なかったのは残念でした。
  • 何度かしか一緒にやっていませんが、専門性もそうですが、看護師としてのこだわりなどわからなかった。
  • あまり関わる機会がありませんでした。数回一緒に仕事をした際の印象ですみません。
  • 体調不良が多かった印象があります。積極性という点では、意識が低かったと感じました。様々な知識があるようなので、積極的にスタッフと関わり、ケアにつなげていただけると期待したい。
  • 主体性や責任感が感じられない。コミュニケーションは部分的には取れていた。
  • もっと積極的に関わっていただきたかったです。多少、責任を回避しているようにも感じました。
  • 修学者としての謙虚さや、自律した姿勢が特に欠けていると感じた。自分が感じない部分にも、ちゃんと向き合ってほしい。
  • 難しい言葉でのコメントは人に伝わりません。伝えているだけでは伝わりません。もっとコミュニケーションが必要だと思います。人はついてきません。
  • スタッフとの’関係性の構築や’業務において、消極的に感じました。気になることがあれば、声にだすか、解決に向けての発信がほしかったです。
  • 研修に積極的な姿勢は見ることができなかった。
  • 手をポケットに突っ込んで立っていたり、社会人としての接遇がなっていないと感じます。すべての事に対していの自己表現がないため、一緒に働く上でのチーム力に影響を及ぼします。NPとして何がしたくて来たのかわかりません。受け身だけではやっていけません。
  • この3ヶ月の目的は何だったのか。いち看護師として、協働はほぼできていないように思います。知識・技術をもって伝えるなどの積極性が必要と感じてしまいました。
  • 最初の頃の見学の頃は積極性が見られませんでした。
  • 積極的にスタッフと関わるという姿勢に欠けていた。3ヶ月という期間であれば、NPという立場は関係なく、コミュニケーションや信頼関係を築くべきでは無いかと感じる。明確なアセスメントや介入を垣間みることもできたので、これからに期待したい。関わりづらい医師と同じようにならないでいただきたい。
  • 誰に対しても、挨拶をしたり、関わろうと思う行動は消極的であった。
  • 全体的に積極性が乏しい。
  • やる気が感じられない。HCUで受け持ちをしててもほとんどコミュニケーション図らず1日が終わる(同じチームでも)。なんかぼーっとしている時間が多い。
  • もっと積極性が欲しいです。一歩引いて話を聞いている様に感じたので、一緒に現場を変えるように考えて欲しいなと思いました。
  • NPならでは視点でのアプローチという部分は見えなかったことが残念です。
  • 病態・治療・看護の分析、提案をよりスタッフに伝え介入していただけると良かったかと感じている。
  • カンファレンスのテーマや看護の視点についての話など、もっと聞きたかった。
  • 午前中の他のメンバーがケアをしている時間でも、奥の方のモニターも見えない方に座って記録をしていたり、自分の事が終わったら、スタッフ勤務室でジュースを飲んでおしゃべりをしている姿をよく見かけました。
  • 自分より先輩ナースとして何を考えているのか、大事にしているのか分からない。今後一緒に働いている中で、同じ患者目標に向かって働いていけるか不安。
  • 関わる機会が少なかったのですが、もう少しこの3ヶ月の目的である看護師として共働するという視点を積極的に行ってほしかったです。
  • 話したことがない、存在感がない、何しに来ているのか伝わってこない。このままでは、厳しいのではないでしょうか。
  • あまり関わる機会がないため、上記のチェックとなりました。
  • 数回しか接していないので、あまりわからないです。
  • 思いをもっと聞きたかった。
  • 特別に悪いところはないけど、何かをすごく頑張っていたかというと特に無い様に感じました。必要最低限の自分の受け持ちの事はやるけど、同じチームのフォローだったり、他のスタッフが何をしているのか無関心なように感じました。
  • NPとしての望ましい態度ではなかった(私語・笑い声・学年の低いスタッフへの態度)。感情なのか指導なのか分からない言い方だった。
  • 同じ医療スタッフとしてコミュニケーションが取りづらかった。専門知識を持っている人たちでもっと積極的に介入して欲しかった。NPとしての積極性がなく、ただの既卒の人みたいな感じになってた。
  • 業務中や休憩中の態度が少しルーズな印象がありました。今後信頼されるNPになれるよう気をつけてほしいと思います。
  • 患者さんへの関わり方やケアにおいて、救命の患者さんに触らないで欲しいと思ってしまうくらい雑な場面が多々ありすぎて、ここに書ききれません。
  • 明るく振る舞う印象を受けたが、個々のスタッフとの関わりでトラブルが生じたり、不快を訴える者がいたと聞いている。積極的な看護実践を行う姿勢がうまくスタッフと噛み合えば心強いが、今のままでは信頼を得られないと思われる。行動や言動について、振り返って頂きたい。
  • 患者・スタッフへの対応をどのように考えていますか?指導といえ、当院の取り組みを理解した上で行ったのでしょうか?NP、いや看護師としてもう一度原点に戻ったほうがよいと思います。患者・家族からもクレームが来たことも考えてください。
  • ナースへの対応を区別しないでほしい。身なりを整えて欲しい。
  • 4月から今までの自分をどのように感じていますか?きちんと評価ができていますか?悪い話しか耳に入ってきません。患者さんに対しても、スタッフに対しても、今のままでは厳しいです。自分がICUでしたことをきちんと振り返りをして、現場で表現をしなければ、一緒には働けません。
  • ナースとして人として、何を大切に患者や家族に接しているか分からないほど業務的であったり、その業務を不十分だったりする。後輩への接し方など見ていて悲しくなりました。知識やアセスメントが高いなら、もっとスタッフに正しく真摯に接しながら教えて欲しい!!看護師として、人として、信用出来ないです。
  • あまり、接する機会がありませんでした。
  • コミュニケーションに難があった。
  • 新人への当たりのきつさが気になりました。みんな同じスタッフなので同じような指導をいただけたらと思います。
  • 病院の教育方針や現代っ子(新人)の特性を理解できていないと感じます。良かれと思って厳しく新人やスタッフに指導しているつもりかもしれませんが、私達との信頼関係も築いていない状況でやられた側としては、ただの迷惑行為です。患者へのケアが雑な事も気になります。
  • 自分の受け持ち患者にのみ、スマホを勝手に持ち込み可にしていたり(チームやリーダーへの相談もなく)あとから受け持つ看護師が困ることをする(救命の入院オリエンテーション用紙をちゃんと熟読してほしい)。上の看護師へは愛想はいいが、若い看護師への対応は目に余る。受け持ち患者の看護ケアが雑!シーツが汚れているのに気づいているのにそのまま(一緒にケアに入った看護師がそれとなく交換を促してもそのまま)、創処置しないまま、私物チェックも不十分。正直一看護師としても業務はちゃんとできていない。教えるようなレベルではない。雑な所を同じような性質のスタッフと意気投合して悪影響。未来あるうちの後輩スタッフを傷つけないで欲しい。今後必要な人材はこの人でなく、後輩スタッフであり、今後も改めないのであれば、一緒に働きたくない。チームのメンバーとしても、正直頭を悩ませる存在。大昔の癖の強い看護師そのまま。今の時代に許される行動じゃないと思う。辛辣になりましたが、どれだけチームの先輩達が困っている存在か考えて欲しい。
  • NPの前に看護師としても、「人対人」でもどうしても許せない立ち振舞でした。同じチームの一員で有ることさえ恥ずかしいと思ってしまいます。
  • 同じ職場で働く人達に向かっての暴言が、聞くに耐えられませんでした。また、1年生への声かけも大変心無いものに聞こえました。入職して1ヶ月ほどの人に対して、知識不足・経験不足を強い口調で攻めるように伝えるのは、指導や教えるという事ではなく、いじめではないかと感じてしまいました。自分を含め周りの方々を咎める発言は、本当に聞いていて腹が立って仕方ありませんでした。このように、周りを知ろうともせず、自分より劣っている、バカだと見下し、言葉として口に出すような人と、正直絶対に仕事はできません。また、言われた側の気持ちや立場を変えて自分なら、と考えられない人に私は看護などできないと思います。

 

 

診療看護師(NP)への架空のアンケート結果

例えば、ナースが診療看護師(NP)のことを気に入らないとしましょう。

そのナースは、次にどの様なアクションを起こすか、それはその組織の在り方の鏡像だと思います。

 

そこで、ナースはNPをどのように懲らしめようか、考えます。

そうだ、NPに対し、アンケートを行って、憂さ晴らしをしようと思い付きます。

普通、そんなのはただの愚痴で終わる話です。

 

ところが、その看護組織のボスである師長は、「それは良い!、ナイスアイデア」とばかりに後押しします。

結局、看護師長は人を管理する立場にありながら、人を管理できていないということになります。

そんな組織で働くのは個人的に、やめたほうが良いと思っています。

 

 

私の経験では、できる看護師長という方にお会いしたことがもっぱら無いです。

ということは、あちら(師長)も私のことをそう思っているということです。

 

打開策としては、どこかで自分が変わることで相手が変わるのを期待するしか無い、というアドラー的な結論に行き着くわけですね。

人生には、時に重大な選択を行う局面があります。

その局面を、診療看護師(NP)の方々には、上手に乗り越えてほしいと思います。

もちろん、NPの方々も内省すべきで、普通の看護師とはいえない働き方であるだけに、より一層自らを俯瞰的にみる努力(メタ認知)が必要になるものだと思います。

 

以下に、アンケートの例を提示します。

とにかく、多くの看護師は人を褒めるのが下手です。

人間相手の職業なだけに、患者さんに如何に行動変容を起こさせ、退院後を見据えたアプローチを行うべきはずですが、患者さんにならできると思っているのだと思います。

しかし、同じ人間、そして共働する仲間である(診療)看護師に無慈悲な態度しかとれないナースがいて、かつ集団で罵るような態度をあからさまにとるようであれば、それはとても残念なことだと思います。

 

フィクションではありますが、こんなアンケートをもらって、喜ぶ人はいないでしょう、おそらく。

 

日々、人を評価することはあると思いますが、診療看護師を含めた看護師の方々には、その矛先を一度収めて自らに必ず向けていただけると幸いです。

 

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※このアンケートは、フィクションです。

  • 片付けができていない、やったらやりっぱなしが続いた
  • 率直に一緒に働く機会があまりなく、評価しずらいというのが本音です。ただ、その中でも積極的にコミュニケーションを図っている訳でもなく、何をしているのか見えないことが多々ありました。後半の期間では、自分の受け持ち患者以外のサポートに入る姿はありました。
  • できていないところについて、きちんとスタッフに伝えたことが指導、いない所で言って他者から伝わるのは陰口になってしまうので、直接言って良いと思います。もう少し、看護師として入ってきてほしかった(それが目的だったはず…)。
  • NPとして、患者に何をしたいのかが一緒に働いていて見えて来なかったのは残念でした。
  • 何度かしか一緒にやっていませんが、専門性もそうですが、看護師としてのこだわりなどわからなかった。
  • あまり関わる機会がありませんでした。数回一緒に仕事をした際の印象ですみません。
  • 体調不良が多かった印象があります。積極性という点では、意識が低かったと感じました。様々な知識があるようなので、積極的にスタッフと関わり、ケアにつなげていただけると期待したい。
  • 主体性や責任感が感じられない。コミュニケーションは部分的には取れていた。
  • もっと積極的に関わっていただきたかったです。多少、責任を回避しているようにも感じました。
  • 修学者としての謙虚さや、自律した姿勢が特に欠けていると感じた。自分が感じない部分にも、ちゃんと向き合ってほしい。
  • 難しい言葉でのコメントは人に伝わりません。伝えているだけでは伝わりません。もっとコミュニケーションが必要だと思います。人はついてきません。
  • スタッフとの’関係性の構築や’業務において、消極的に感じました。気になることがあれば、声にだすか、解決に向けての発信がほしかったです。
  • 研修に積極的な姿勢は見ることができなかった。
  • 手をポケットに突っ込んで立っていたり、社会人としての接遇がなっていないと感じます。すべての事に対していの自己表現がないため、一緒に働く上でのチーム力に影響を及ぼします。NPとして何がしたくて来たのかわかりません。受け身だけではやっていけません。
  • この3ヶ月の目的は何だったのか。いち看護師として、協働はほぼできていないように思います。知識・技術をもって伝えるなどの積極性が必要と感じてしまいました。
  • 最初の頃の見学の頃は積極性が見られませんでした。
  • 積極的にスタッフと関わるという姿勢に欠けていた。3ヶ月という期間であれば、NPという立場は関係なく、コミュニケーションや信頼関係を築くべきでは無いかと感じる。明確なアセスメントや介入を垣間みることもできたので、これからに期待したい。関わりづらい医師と同じようにならないでいただきたい。
  • 誰に対しても、挨拶をしたり、関わろうと思う行動は消極的であった。
  • 全体的に積極性が乏しい。
  • やる気が感じられない。HCUで受け持ちをしててもほとんどコミュニケーション図らず1日が終わる(同じチームでも)。なんかぼーっとしている時間が多い。
  • もっと積極性が欲しいです。一歩引いて話を聞いている様に感じたので、一緒に現場を変えるように考えて欲しいなと思いました。
  • NPならでは視点でのアプローチという部分は見えなかったことが残念です。
  • 病態・治療・看護の分析、提案をよりスタッフに伝え介入していただけると良かったかと感じている。
  • カンファレンスのテーマや看護の視点についての話など、もっと聞きたかった。
  • 午前中の他のメンバーがケアをしている時間でも、奥の方のモニターも見えない方に座って記録をしていたり、自分の事が終わったら、スタッフ勤務室でジュースを飲んでおしゃべりをしている姿をよく見かけました。
  • 自分より先輩ナースとして何を考えているのか、大事にしているのか分からない。今後一緒に働いている中で、同じ患者目標に向かって働いていけるか不安。
  • 関わる機会が少なかったのですが、もう少しこの3ヶ月の目的である看護師として共働するという視点を積極的に行ってほしかったです。
  • 話したことがない、存在感がない、何しに来ているのか伝わってこない。このままでは、厳しいのではないでしょうか。
  • あまり関わる機会がないため、上記のチェックとなりました。
  • 数回しか接していないので、あまりわからないです。
  • 思いをもっと聞きたかった。
  • 特別に悪いところはないけど、何かをすごく頑張っていたかというと特に無い様に感じました。必要最低限の自分の受け持ちの事はやるけど、同じチームのフォローだったり、他のスタッフが何をしているのか無関心なように感じました。
  • NPとしての望ましい態度ではなかった(私語・笑い声・学年の低いスタッフへの態度)。感情なのか指導なのか分からない言い方だった。
  • 同じ医療スタッフとしてコミュニケーションが取りづらかった。専門知識を持っている人たちでもっと積極的に介入して欲しかった。NPとしての積極性がなく、ただの既卒の人みたいな感じになってた。
  • 業務中や休憩中の態度が少しルーズな印象がありました。今後信頼されるNPになれるよう気をつけてほしいと思います。
  • 患者さんへの関わり方やケアにおいて、救命の患者さんに触らないで欲しいと思ってしまうくらい雑な場面が多々ありすぎて、ここに書ききれません。
  • 明るく振る舞う印象を受けたが、個々のスタッフとの関わりでトラブルが生じたり、不快を訴える者がいたと聞いている。積極的な看護実践を行う姿勢がうまくスタッフと噛み合えば心強いが、今のままでは信頼を得られないと思われる。行動や言動について、振り返って頂きたい。
  • 患者・スタッフへの対応をどのように考えていますか?指導といえ、当院の取り組みを理解した上で行ったのでしょうか?NP、いや看護師としてもう一度原点に戻ったほうがよいと思います。患者・家族からもクレームが来たことも考えてください。
  • ナースへの対応を区別しないでほしい。身なりを整えて欲しい。
  • 4月から今までの自分をどのように感じていますか?きちんと評価ができていますか?悪い話しか耳に入ってきません。患者さんに対しても、スタッフに対しても、今のままでは厳しいです。自分がICUでしたことをきちんと振り返りをして、現場で表現をしなければ、一緒には働けません。
  • ナースとして人として、何を大切に患者や家族に接しているか分からないほど業務的であったり、その業務を不十分だったりする。後輩への接し方など見ていて悲しくなりました。知識やアセスメントが高いなら、もっとスタッフに正しく真摯に接しながら教えて欲しい!!看護師として、人として、信用出来ないです。
  • あまり、接する機会がありませんでした。
  • コミュニケーションに難があった。
  • 新人への当たりのきつさが気になりました。みんな同じスタッフなので同じような指導をいただけたらと思います。
  • 病院の教育方針や現代っ子(新人)の特性を理解できていないと感じます。良かれと思って厳しく新人やスタッフに指導しているつもりかもしれませんが、私達との信頼関係も築いていない状況でやられた側としては、ただの迷惑行為です。患者へのケアが雑な事も気になります。
  • 自分の受け持ち患者にのみ、スマホを勝手に持ち込み可にしていたり(チームやリーダーへの相談もなく)あとから受け持つ看護師が困ることをする(救命の入院オリエンテーション用紙をちゃんと熟読してほしい)。上の看護師へは愛想はいいが、若い看護師への対応は目に余る。受け持ち患者の看護ケアが雑!シーツが汚れているのに気づいているのにそのまま(一緒にケアに入った看護師がそれとなく交換を促してもそのまま)、創処置しないまま、私物チェックも不十分。正直一看護師としても業務はちゃんとできていない。教えるようなレベルではない。雑な所を同じような性質のスタッフと意気投合して悪影響。未来あるうちの後輩スタッフを傷つけないで欲しい。今後必要な人材はこの人でなく、後輩スタッフであり、今後も改めないのであれば、一緒に働きたくない。チームのメンバーとしても、正直頭を悩ませる存在。大昔の癖の強い看護師そのまま。今の時代に許される行動じゃないと思う。辛辣になりましたが、どれだけチームの先輩達が困っている存在か考えて欲しい。
  • NPの前に看護師としても、「人対人」でもどうしても許せない立ち振舞でした。同じチームの一員で有ることさえ恥ずかしいと思ってしまいます。
  • 同じ職場で働く人達に向かっての暴言が、聞くに耐えられませんでした。また、1年生への声かけも大変心無いものに聞こえました。入職して1ヶ月ほどの人に対して、知識不足・経験不足を強い口調で攻めるように伝えるのは、指導や教えるという事ではなく、いじめではないかと感じてしまいました。自分を含め周りの方々を咎める発言は、本当に聞いていて腹が立って仕方ありませんでした。このように、周りを知ろうともせず、自分より劣っている、バカだと見下し、言葉として口に出すような人と、正直絶対に仕事はできません。また、言われた側の気持ちや立場を変えて自分なら、と考えられない人に私は看護などできないと思います。

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医療職最大職種の看護師から、イノベーションは無理なのか

第18回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(議事録)については、先に書きましたが、もう少し議事録の看護の部分だけを読んでみました。

 

詳細は、下記のURLより閲覧可能です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08944.html

 

看護師の代表者の意見を一部引用します。

○井本構成員 日本看護協会の井本でございます。
日本看護協会としては救急救命士が院内で救急救命処置を行うことには反対です。前回も申し上げましたが、その理由は、救急救命士医療機関に搬送されるまでの間に応急的に重度傷病者に対して救急救命処置を行うために誕生した職種だと認識しております。資格の定義を変えてまでも病院で働けるようにするということはおかしいと考えています。
今まで他の構成員が発言されているように、救急外来で医師や看護師が多忙を極めているのは事実です。これまでも何度か発言してきたとおり、その大きな要因は、救急外来は病棟とは異なり、看護師の配置に関する基準や規定がほとんどないことです。そのため、必要な看護師数が配置されておらず、医師の負担も大きくなっています。
また、前回の検討会でも発言がありましたように、医師や看護師が検体搬送や患者搬送、記録類等に追われ、非常に多忙をきわめている実態があります。そのため、医師、看護師の負担を軽減するには、まずは必要数の看護師を配置するために基準や評価等を設けること、2点目に周辺業務を担う人材を配置することが必要だと考えています。
教育に関しては、資料の22ページにあるように、救急救命士法で救急救命処置は「重度傷病者が病院・診療所に搬送されるまでの間に行われる処置」と定義されており、現在の基礎教育は院外で救急救命処置を行うことに特化していると理解しております。そのため、現行教育は病院内で救急救命処置を行うための質を担保することができ、追加教育が不要だとは言えないと考えております。 引用終わり。

 

少し発言の内容を考えてみたいと思います。

以降、”アンダーライン”は引用です。

”資格の定義を変えてまでも病院で働けるようにするということはおかしいと考えています。”

 

看護師の特定行為、さらにはナースプラクティショナー制度の創設を目指している、看護の代表団体の発言とは思えない言動に思います。

最近、看護師の特定行為という、「資格の定義」をある意味変えてまで、法整備を行い、国家としても10万人以上の育成を目指している、いわゆる「特定看護師」制度との整合性が無いようにに思います。

 

自分たちはよくて、他職種はダメなのでしょうか?

 

”救急外来で医師や看護師が多忙を極めているのは事実です”

 

だったら、なおさら救急救命士と手を取り合って、その”多忙さ”の解消に看護師団体の代表として、乗り出してみては良いのではないでしょうか。

”多忙”である原因を、看護配置のせいにするのではなく、看護配置が定められている病棟看護師も十分”多忙”ですので、他職種と手を取り合うことのほうが、やはり現実的であると思います。

医師の負担が増加するのであれば、看護師の狭い世界だけでどうにかしようとしている、その思考をそもをも、根本から変えるべきです。

 

”医師や看護師が検体搬送や患者搬送、記録類等に追われ、非常に多忙をきわめている実態があります”

 

であれば、看護助手さんの活用や音声入力、さらにはそもそも看護師の書類を減らす方向で、法整備を検討したほうが、よほど生産性が高いように思います。

人材人材と言っていますが、人材は有限です。

そもそも、看護の代表者はどの看護師も1としかカウントしていません。

あなたとしての1としてはカウントされず、看護師の1人としてカウントされているだけです。

戦争の最前線に、竹槍もって挑むようなものです。

だれでもできる仕事を、働いているうちにできるようになる。

 

もちろん勉強熱心な看護師もたくさんいます。

他者ばかりを否定するのではなく、そのような看護師が評価されるような制度を是非とも創造していただきたいと思います。

 

救急救命士法で救急救命処置は「重度傷病者が病院・診療所に搬送されるまでの間に行われる処置」と定義されており、現在の基礎教育は院外で救急救命処置を行うことに特化していると理解しております。そのため、現行教育は病院内で救急救命処置を行うための質を担保することができ、追加教育が不要だとは言えないと考えております。”

 

確かに、現行の教育内容では、不足していると思います。

であれば、追加で教育できる制度をおこない、現場の看護師の安全へ少しでも寄与していただきたいと思います。

そもそも安全とは、目に見えるものだけが顕在化として認識され、院内感染等はあまり認識されていません。

多忙であることと、医療事故との関連性は示されていたと思います。

是非とも、医療職団体最大多数の、看護師から医療を創造していただけると幸いでございます。

 

 

特定行為と看護の代表者

看護職には現在、「特定行為」というものがあります。
この特定行為は、過去看護師の判断では行えなかった、38の行為が法的妥当性をもち、可能となったものです。
 
この制度の背景には、多数の歓迎とともに、反対意見もあると思われます。
医療は医師のみで成立するものではなく、多職種の協働があって初めて成立します。
たとえは、薬剤師や放射線技師や臨床工学技士(他多数の職種)に代表される職種と協働することとなります。
 
これが協働できないと、例えば、ADL全介助の方の呼吸状態が不安定となったとき、ポータブルX線と言われる移動式のレントゲン撮影を行うのが一般的だとおもいます。
けれども、協働できない方の場合「降りてこれないんですか」「降りてきてください」と言って、ベッドごと2名以上のスタッフの手を介し、レントゲンを撮りにいく羽目になります。
 
架空の症例ですが、レントゲン撮影を行うという行為に対して、どちらが生産性が高いかという判断ができない場合は、このような架空の放射線技師の発言を平気で言えるようになります。
 
一方、最近のニュースをみて、ナースも同じく感じるものがありました。
1つは、”「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」(座長:永井良三・自治医科大学学長)”という会議のなかで、診療放射線技師臨床検査技師、臨床工学技士の3職種に対し、業務移管が可能な22項目を提示されたようです。
どうやらその中で、「静脈路確保」については、看護師からの反対意見があったようです。
 
医療現場においては、「静脈路確保」はとてもポピュラーな処置となります。
その一方で、血流感染や神経損傷などの重篤な合併症の可能性もあり、実際にある一定の確率で過誤が報告されています。
 
実際に看護師の代表の方が、どのような発言をされたのか引用します。
日本看護協会副会長の齋藤訓子氏は、「診療放射線技師による静脈路確保は想定しにくい。現時点では拡大するのではなく、ナースに任せる方が現実味はある」と主張。岩手医科大学看護学部特任教授の秋山智弥氏は、「採血と静脈路の確保は違う。熟練したナースがやっているのを、短い研修でやれるとは考えていない」と反対意見を述べた。 
 日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏は、「研修は相当慎重で丁寧なものをやる必要がある」とした上で、「看護師は静脈路確保ができるが、今まで以上に看護師に頑張ってもらうとなると、現場の看護師の負荷になるのではないか」と指摘した。” 引用終わり
 
普通に考えて、看護師の負担は増えるし、そもそも看護師がどの程度のスキルを持ち合わせているのかというと、筆者が見てきた数百人程度の看護師の静脈路確保のスキル向上の裏側には、数多くの失敗があるということです。
 
通常、「失敗」とは個人的には前向きに捉えますが、ここで用いる「失敗」とは決して前向きな失敗ではありません。
看護師の静脈路確保をみていると、ある意味たまたまなんじゃないか、と思われる手技の方がほとんどです。
 
昨今は例えば、Youtubeなどの動画サイトでも、お手本とされる静脈路確保の動画を閲覧することは、誰にでもできますがそのような科学的裏付けを無視して、自分の経験だけを頼りに、先に引用した看護師の方々は自分の意見を主張されている気がしてなりません。
 
もちろん会議には、全会一致は良くないとされています。
そういった観点から、看護の代表者が発言をされたのかもしれません。
けれども、普通に考えたらわかるように、自分たちの保身のためだけに、多忙な医療現場を更に多忙にしているような気がします。
 
何をどう思考したらそのようなロジックになるのかわかりません。
 
過去、看護師は「特定行為」が可能となりました。
これは、多職種の賛同があってのものです。
 
看護師はよくて、他職種はダメというのは、他職種を冒涜している行為にしか筆者には映りませんでした。
とても、残念です。
 
さらに、第 19 回「救 急・災害医療提供体 制等の在り方に関す る検討会」というものが開催されたようです。
これは、過去病院内での活動を制限されていた、救急救命士の方が院内で活躍できるよう、法整備をすすめるにあたっての会議のようです。
 
ここでも看護師は、反対の姿勢を表明しています。
2020年2月15日の看護協会ニュースより以下引用します。
日本看護協会からは、井本寛子常任理事が構成員として参加した。本会は、救急救命士医療機関内で救急救命処置を行う案について、患者安全・国民の命を守る観点から反対の姿勢を示している” 引用おわり
 
ここでも、同様に、「看護師はできて看護師以外はできない」と表明されているように映りました。
看護師って、そんなにすごいのでしょうか。
もちろん一部の看護師は優れたスキルや経験を兼ね備えている方もいらっしゃいます。
 
けれども、それは他職種も同様です。
 
このような、他職種を卑下するような、看護の団体に未来はあるのでしょうか。
もう少し仲良く、寄り添う姿勢をがあっても良いような気がします。
 
ドラッカーは、「仲良くするのではない、仕事ぶりが重要なのだ」とたしか言っていました。
仲良くと書きましたけど、医療全体を俯瞰して、多職種協働ができるような、制度構築に少しでよいので、看護の代表者には貢献してほしいと思います。
 
どこを見なけれならないのか、見るべきは患者である、という原則を常に心に秘め、これからも精進して行きたいと思った次第です。