第18回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(議事録)については、先に書きましたが、もう少し議事録の看護の部分だけを読んでみました。
詳細は、下記のURLより閲覧可能です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08944.html
看護師の代表者の意見を一部引用します。
”○井本構成員 日本看護協会の井本でございます。
日本看護協会としては救急救命士が院内で救急救命処置を行うことには反対です。前回も申し上げましたが、その理由は、救急救命士は医療機関に搬送されるまでの間に応急的に重度傷病者に対して救急救命処置を行うために誕生した職種だと認識しております。資格の定義を変えてまでも病院で働けるようにするということはおかしいと考えています。
今まで他の構成員が発言されているように、救急外来で医師や看護師が多忙を極めているのは事実です。これまでも何度か発言してきたとおり、その大きな要因は、救急外来は病棟とは異なり、看護師の配置に関する基準や規定がほとんどないことです。そのため、必要な看護師数が配置されておらず、医師の負担も大きくなっています。
また、前回の検討会でも発言がありましたように、医師や看護師が検体搬送や患者搬送、記録類等に追われ、非常に多忙をきわめている実態があります。そのため、医師、看護師の負担を軽減するには、まずは必要数の看護師を配置するために基準や評価等を設けること、2点目に周辺業務を担う人材を配置することが必要だと考えています。
教育に関しては、資料の22ページにあるように、救急救命士法で救急救命処置は「重度傷病者が病院・診療所に搬送されるまでの間に行われる処置」と定義されており、現在の基礎教育は院外で救急救命処置を行うことに特化していると理解しております。そのため、現行教育は病院内で救急救命処置を行うための質を担保することができ、追加教育が不要だとは言えないと考えております。” 引用終わり。
少し発言の内容を考えてみたいと思います。
以降、”アンダーライン”は引用です。
”資格の定義を変えてまでも病院で働けるようにするということはおかしいと考えています。”
看護師の特定行為、さらにはナースプラクティショナー制度の創設を目指している、看護の代表団体の発言とは思えない言動に思います。
最近、看護師の特定行為という、「資格の定義」をある意味変えてまで、法整備を行い、国家としても10万人以上の育成を目指している、いわゆる「特定看護師」制度との整合性が無いようにに思います。
自分たちはよくて、他職種はダメなのでしょうか?
”救急外来で医師や看護師が多忙を極めているのは事実です”
だったら、なおさら救急救命士と手を取り合って、その”多忙さ”の解消に看護師団体の代表として、乗り出してみては良いのではないでしょうか。
”多忙”である原因を、看護配置のせいにするのではなく、看護配置が定められている病棟看護師も十分”多忙”ですので、他職種と手を取り合うことのほうが、やはり現実的であると思います。
医師の負担が増加するのであれば、看護師の狭い世界だけでどうにかしようとしている、その思考をそもをも、根本から変えるべきです。
”医師や看護師が検体搬送や患者搬送、記録類等に追われ、非常に多忙をきわめている実態があります”
であれば、看護助手さんの活用や音声入力、さらにはそもそも看護師の書類を減らす方向で、法整備を検討したほうが、よほど生産性が高いように思います。
人材人材と言っていますが、人材は有限です。
そもそも、看護の代表者はどの看護師も1としかカウントしていません。
あなたとしての1としてはカウントされず、看護師の1人としてカウントされているだけです。
戦争の最前線に、竹槍もって挑むようなものです。
だれでもできる仕事を、働いているうちにできるようになる。
もちろん勉強熱心な看護師もたくさんいます。
他者ばかりを否定するのではなく、そのような看護師が評価されるような制度を是非とも創造していただきたいと思います。
”救急救命士法で救急救命処置は「重度傷病者が病院・診療所に搬送されるまでの間に行われる処置」と定義されており、現在の基礎教育は院外で救急救命処置を行うことに特化していると理解しております。そのため、現行教育は病院内で救急救命処置を行うための質を担保することができ、追加教育が不要だとは言えないと考えております。”
確かに、現行の教育内容では、不足していると思います。
であれば、追加で教育できる制度をおこない、現場の看護師の安全へ少しでも寄与していただきたいと思います。
そもそも安全とは、目に見えるものだけが顕在化として認識され、院内感染等はあまり認識されていません。
多忙であることと、医療事故との関連性は示されていたと思います。
是非とも、医療職団体最大多数の、看護師から医療を創造していただけると幸いでございます。