〇〇医大の給与問題

個人的に、看護師と給与の関係は根深いと思っています。

 

というのも、看護師の多くはこの仕事だけで生計を営んでいると思います。
すなわち、給与がでないイコール生活の困窮に至る可能性があります。

 

最も、若い看護師は夜勤を行うことで、夜勤手当を含めると給与はそれほど悪くないといわれています。

けれども、年を重ねるにつれて昇給幅が小さく、夜勤もしんどくなってきます。
そのため、大学病院のような大病院で勤務する看護師の多くは、退職していきます。

 

幸いにもつらい時期を乗り越えて行けば、ほぼ自動的に師長になれます。
自動的と書きましたが、完全に自動なわけではなく、一応師長になるための研修はあります。

 

医師の場合は、最低週1回の外勤があります。

この外勤で医師の場合は稼いでいるとされています。

一方看護師の場合は、どうかと言うと外勤制度などありません。

外勤が無いということは、勤務先の病院からもらった給与そのままが自分の給与のすべてという事になります。

 

最も、看護師の外勤は規定で禁止されている場合もありますが、完全にダメというわけではなく、アルバイトを行うものもいるようです。

しかし、副業としてのアルバイトで稼いでも何の意味もありません。

もらえる給与は増えますが、それだけ税金も増えるだけです。
そのため、副業するのであれば本業以外での稼ぎを増やす必要があります。

つまり、事業所得です。

事業所得青色申告を使うと、様々な税制上の利点があります。

最も効率的かつ効果的な節税方法であると言えます。

 

なんで副業について書いたのかといえば、看護師の多くは本業のみで生計を立てている人ばかりだからです。

つまり、給与が少ない→じゃあ夜勤の回数を増やそう→夜勤が辛いけど・・→超過勤務で増やそうなどのパターンです。

 

わたしの知り合いにもいます。

夜勤明けで自分の趣味でエコーを当てて、その時間を残業請求するという強者がいました。

当然上司からは怒られますが、上司も残っている事実がある以上は給与を支払う必要がありますので、支払わざるを得ません。

そのような、一般的常識に欠けた人が集まると、病院としての損益ばかりが増えることに繋がります。

 

そもそも、病院における金食い虫のトップは人件費です。

その人件費への介入を行わない組織は、考えものです。

 

タイトルに戻りますと、〇〇医大の給与問題はYahooニュースのトップページでも話題になるほどです。

当初、ボーナスを支給しないとしていたが、結果的に何があったのかは知りませんが、1ヶ月分くらい(ナースだと20万くらい)はもらえるようになったようです。

 

この結果をどのように分析しましょう。

1つ目は、ボーナスを支給しないという前例が出来たこと。

2つ目は、ボーナスを格安で支給するという前例ができたこと。

3つ目は、組織マネジメントとして、看護師を府兵の如く扱ったこと。

4つ目は、府兵のような看護師が、大量に退職したこと。

5つ目は、400名の退職者に対し、350名の募集をしていること。

ほかにも、まだまだありそうですがこれらについて書いてみようと思います。

 

まず、ボーナス未支給問題と低額ボーナスの支給については、前提ができてしまったという点は他の病院からすれば懸念点です。

 

そもそも、病院の経営は専門家が行うべきですが、非営利組織である病院の多くは独自の路線で、救急車は断るな、救急車で来た人は前例入院なのよくわからない路線を突き進む経営者がいらっしゃいます。

これは、税金が足りないから消費税を増やしましょうというロジックと似たようなものです。

 

そんな経営者ですから、〇〇医大ではボーナス20万円なんだから、25万円でているだけでも感謝しなさいという組織が現れてもおかしくはありません。

現に赤字経営の経営者は、そのように考えていることだと思います。

 

3ー5つ目に関しては、もはや優秀な看護師は集まらないでしょう。

普通に考えて、給与は安くて、新人ばかりの病院に行こうと考える人はよほど、ものずきだと思います。

そのため、就職先として選択するとは到底思えません。

ということは、これからどんどん看護師のレベルが下がる可能性があります。

大学ですので、レベルの高い看護師が少ないのかもしれませんが、看護師のレベルが上がる要素はゼロに近い気がします。

 

一度底辺まで見た看護師達が、手を取り合って良質な成果を提示できればそれに越したことはありません。

いくら腕のよい医者がいるとはいえ、看護師が少なく、新人ばかりだとすれば医療事故も増えるでしょう。

自分だったら・・・入院したくないですね。

そして、指示を出す医者も適切に実践してもらえない看護師との間に、軋轢が生まれる可能性が高いと思います。

 

とはいえ、実際をみたわけではないので、全ては推測にすぎません。

このような病院に就職しようと思った人達がどのような人なのかは、興味があります。