医療現場におけるIT(スマートフォンとか)の活用

※ITとかICTは、「情報技術」と訳されるようです。

 

医療において、情報は供給過多の時代となっています。

 

たとえば、比較的正しい情報として、医学論文があります。

逆に、比較的正しくない情報として、ブログ等があります。

 

ブログ等も、記載された根拠(引用論文であったり、発信者の名前であったり)が記載されていれば、一般の書籍を遥かに凌ぐ情報を載せてくださっているかたも多くいらっしゃいます。

 

医療を学ぶ者は、教科書を参照することが多いと思います。

内科では、「ハリソン内科学」とかが、有名だと思います。

 

この、大変分厚い書籍ですら、数年立つと新版が出されます。

改定が頻繁に行われるということは、裏を返せば、医療の情報はとても膨大であるということです。

極端な例を挙げると、ある論文が発表された事で、次の日からのプラクティスが変わるということも、あるかもしれません。

 

我々は、医療に関する情報を日々、取捨選択していることになります。

そもそも、膨大な医療情報の仔細な部分まで記憶するのは困難ですし、その記憶が間違っている可能性もあります。

だからこそ、その根拠にたどり着く術を見出すことが必要になってきます。

 

よく使用されるのが、インターネットによる検索ツールだと思います。

「Google based medicine」とか、言っている人もいます。

 

Googleで検索しますと、”変な情報”も混在してきます。

そのため、適切な情報に行き着くために、”検索の主目的” + ”ac.jp”とか、ホスピタリストとかで検索をかけると、比較的全うな検索結果にたどり着くことが可能となります。

 

ちなみに、ac.jpのacはアカデミックなので、大学ということになります。

最近は、大学のホームページでも一般市民向けに、わかりやすく情報発信していることがおおいですし、大学なので極端に変なことは書かれていない、と思います。

 

医療者がac.jpを付け足して検索することは、ほとんどないと思います。

患者さんとか、その家族が情報を知りたいときには、比較的適切な情報を取捨選択するという意味で、状況に応じて、おすすめすることもあります。

 

このように、(といっても、それほどITに関する情報を記載したわけではないのですが)医療において、ITの使用は非常に身近なものですし、もはやインターネットやアプリ等のない状況での、医療の提供は考え難い状況に来ていると思います。

 

そこで、看護師のITの話に移ります。

看護師は、なぜかスマートフォンが禁止になっていることが多いです。

何故なのか? それは、誰もわかりません。

 

おそらく推測ですが、見た目が悪いからということなのだと思います。

よく「〇〇とハサミは使いよう」という格言があります。

スマートフォンも使いようだと思います。

 

例えば、漢字がわからない場合、病態がわからない場合、など他にも様々なシチュエーションがあると思います。

看護師は、どのように病態等の情報を集めるかといいますと、病棟とかにある、一部の情報しか記載されていない、一般書籍から情報を集めることが多いように思います。

この一般書籍も、その根拠(引用文献)が記載されていないものであったり、いわゆる経験則で記載されているものが多いです。

 

一方、医師等は妥当性の高い論文を検索することがおいです。

最近は、Up to dateやDynaMedと呼ばれる、電子教科書がありますので、このようなもので検索することが多いです。

電子教科書には、もちろん引用文献は記載されていますので、その根拠にたどり着くことができます。

 

根拠の基となる論文にたどり着けば、その論文の妥当性を検証することになります。

目の前の患者さんに、その論文の妥当性があると判断すれば、そのプラクティスを初めて患者さんにアプライすることになります。

 

医療とは、ただ感覚で行っているものではありません。

感覚で行っているとすれば、かならずいつか、不幸にもこの手から取りこぼす患者さんがでてきます。

 

われわれは、「プロフェッショナル」ですので、日々のプラクティスの裏にある多くは、根拠があります。

 

よく、物事を教えるときに、「魚のを釣るのではなく、さかなの釣り方を覚える」という格言があります。

医療情報も、その時々に応じて変化しますので、魚の釣り方(適切な医療情報へのアクセスの仕方)というは、とても重要なことだと思います。

 

まとめますと、看護師さんは見た目ばかりを気にしすぎて、適切な(根拠に基づく)医療というものを、患者さんにアプライできていない可能性があります。

もうすこし、真剣に考える時期に来ているのではないでしょうか。