医療の世界には、インシデント(ヒヤリハットと言われることもあります)レポートと呼ばれるものがあります
このレポートの範囲は多岐にわたりますが、いわゆるミスをしたり発見したものが記載するものです
施設により、異なりますが実名で記載されるところもあるようです
そもそも、どのようなミスがおきているのかを分析することが、目的ですので、実名を記載する必要性は無いと言っても過言では無いと思います
つまり、多くの医療者は(多くはナース)明らかに分かるインシデントしか記載しなくなります
また、インシデントを起こせば、上司へ報告し大抵の場合、怒られます
ときには、一緒に解決法を考えてくれる上司もいるでしょうが、大抵は確認は行ったの?とか、身体拘束は行ったの?とか、どうでもよい話です
What matters(大事なこと)をもう少し、考えるべきでしょう
どこを向いて議論を行うべきなのか
そもそも、身体拘束をしていないことで怒られる組織はおかしいでしょう(多分)
医師の世界でも、不要な検査を出していないことで怒られることがよくあります
何でCTとってないの?なんでCRP(検査の種類)出していないの?とか
何で出していないのかは、理由があるはずです
だから、理由を問うべきです
たとえば、忘れていたとか、いろんな文献を読んでこのようなアプライを行ったとかいろいろ理由があるはずです
個々人のその理由をもう少し大事にしてあげるべきだと思います
そうでなければ、看護の自立・自律にはいつまでたってもたどり着けません
そもそも、保助看法には患者のADLを決めてはいけないという文言はありません
けれども、現場の看護師はADLを勝手にきめたら、先輩看護師に医師に確認したの?とおこられます
インシデントレポートは貴重な時間を割いて記載されます
それは、後世の患者さんや、医療者のためにあります
だからこそ、有効に議論しなければなりません
けれども、多くの場合は、力の強い方の一言で終わってしまいます
だから、同じ事が繰り返し生じます
たとえば、医療の世界は医師が指示をだす→看護師のリーダーが指示を受ける→受け持ちの看護師が実施するという、複雑なシステムになっています
指示を出した医師が、患者さんに実施すれば多くの場合は、的確に指示を実施可能という部分でのミスは防げます
リーダーを間に挟むと、それだけより複雑になります
そして看護の世界における最も重要な視点ですが、医師の指示は100%正しいという前提にあります
まさに、神の領域です
医師の指示に従わなければ、その看護師は、ダメな看護師になるわけです
医師のわかりにくい指示だとしてもです
当然ですが、医療は様々な専門職者等が関わり合って成立しています
もう少し、横並びの議論をそろそろしませんか、看護師さん。。
医師とそれ以外のコメディカルという呼び方も、おかしいですし
診療看護師は、代行入力という形で、指示を出しますので、解決策の一つとして、根拠を提示していくべきでしょう
医師は看護師の業務内容を分かっていないですし、逆もまた然りです
少なくとも診療看護師であれば、双方の業務内容は理解しています
看護師の心をもち、診療看護師としての業務を行うことが可能となれば、よりわかりやすい指示を出すことができるようになるのではないでしょうか
そして、その指示を医師が真似ることで医療における安全性への寄与も可能かもしれません