病院では、他科に依頼することがしばし、というかよくあります。
特に、大病院では多いように思います。
大病院で多いということは、専門分化されているということを示唆していると思います。
専門分化とは、例えば呼吸器系の病気で呼吸器科に入院したけど、もともと不整脈があり、それなら専門家である循環器医に相談しておこう、といったようなことです。
他科に依頼する基準としては、
・もともと他科にかかりつけである場合
・自分の科では、専門外であり、診れない場合
の2つが主にある用に思います。
大病院では、特にこのような形態で困らないのだと思います。
けれども、老年医学に代表されるように、様々な疾患を持つ患者さんを持つ場合には、総合診療を行う能力の可能な方が診たほうが、患者さんにとっての”問題点”を適切に捉えることができており、効率的で効果的なように思います。
患者さんにとっての問題点とは、しばしというかよくなのですが、医療者との認識の乖離という部分で顕在化します。
患者さんは、入院することで家庭の問題や自宅のペットや介護者の世話などが最も気になっているとします。
けれども、医療者は入院するにあたっての”病気”を良くすることに心血を注ぎます。
すると、退院の時期が不必要に延長したり、あまり有用ではないことが起こります。
多くの患者さんは、非日常的な環境で起こる出来事に、これが入院生活なのだと受け入れることになります。
一部の患者さんは、入院環境に文句を言ったことにより、自主的に退院を余儀なくされる場合もあります。
病院は、病気を良くするところという概念を、医療者はしばし履き違えて、自らの信念ばかりを貫き、患者さんや家族にとっては、しばし酷な環境を提供しています。
このような環境の改善に寄与しうるのが、タスクシフティングやタスクシェアリングと言われる、現在の働き方改革に寄与するものであるものだと思います。
タイトルに戻りますと、病院で最も多いのが、放射線科への依頼となります。
例えば、CTやレントゲン(ホントはレントゲン線やX線が正しいようです)を撮影した際に、専門家である、放射線科医に読影を行ってもらうことが、放射線科への依頼となります。
ところが、よくある依頼内容が、「熱源精査」や「フォロー」などです。
普通、他科依頼であれば、これこれこういう事で入院になって、現在はこのような病気の可能性を考えており、ある病気の可能性も除外できないと思っています。
といったような形になります。
読影を依頼された、放射線科医は、もちろんすべてを見るのですが、「何を見てほしいのか?」という事を明確にしておく必要性があります。
例えば、手術歴があるのとないのでは、その画像所見により、考えうる病名が異なってきます。
と、京都ERの本にかかれていました。
お互いを尊重するためにも、必要最低限な所見は記載したいものだと思います。
ただし、緊急の場合は、この限りではないと思います。
多くの病院では、診療看護師を採用し、代行オーダーと言う形で、診療看護師がオーダーを行っていると思います。
しかし、診療看護師のオーダーは受け付けないとか、医師の直接の電話を必要とするなど、どこの病院でも、医師以外の放射線部門への関与は、厳しいものとなっています。
だからこそ、放射線科への代行入力を病院が許可している、診療看護師たちは、”ちゃんとした”放射線科への依頼を記載してほしいと思っています。