准看護師システムの利点や欠点

日本には、准看護師というシステムがあります

法律上は、看護師の下という立ち位置になります

けれども、普通の看護師と何ら変わりない看護業務を行っています

 

准看護師と看護師の違いは何でしょうか?

臨床における違いは、殆どないと思います

 

准看護師免許を取得するために、学業に従事する年数は、多くは仕事しながら2年間が多いと思います

准看護師の学校の生徒はバラエティに富んでいます

40歳を過ぎて、全く違う畑で仕事を行うんだ、という気概が伝わってくる方もたくさんいます

つまり、勉強がそれほど得意でなくても取得可能な資格と言えるかもしれません

繰り返しますが、ほんとに熱心な方も沢山います

免許の取得は簡単でも、ほんとに真剣に勉強に取り組んでいらっしゃる方がたくさんいます

 

あえて欠点を挙げると

准看護師の欠点は、一般的な基礎知識が不足している方が比較的多いという事かもしれません

一般的基礎知識というのは、英語だったり、論文を読み解くための統計に必要な数式だったり、ということになります

けどれも、筆者の経験では、立派な大学を出ている看護師でも、このあたりの一般的基礎知識は不足していると感じます

 

となると、そもそも看護師と准看護師の資格を分ける必要性があるのかという疑問が生じてきます

 

なぜ、臨床において同じような業務を行わなければならないのか?

そして、同じような業務を行っておきながら、給与に差が生じるのか?

 

これらの疑問の回答は、おそらく卒後教育に問題があると思っています

看護師免許を持たなくても、行える仕事の多さには驚嘆します

先輩がやってきたから、後輩も同じように教育し、疑問を持たずに働いているからだと思います

患者さんに限らず、業務を行うことで給与をもらっているからには、全ての業務には理由(根拠)があり、その根拠を医療にアプライすることで、給与をもらっているわけです

だから、同じ看護を准看護師でも大卒や大学院卒の看護師でも提供することで、”差”がなければ、給与は同じで良いと思います

 

結果に資格はあまり関係ありません

これは、医師と診療看護師にも言えることだと思います

米国では医師よりも優秀な看護師(ナースプラクティショナー)がいらしゃいます

彼・彼女らは、ヘルスケアシステムの違いという背景はありますが、その成果を示しているため、それなりのインセンティブをもらうことが可能なのだと思います

 

最近は、准看護師を廃止する方向に政策誘導しようとする動きがあるようです

准看護師を廃止にするのか、存続するのかはそれなりに利点と欠点があると思います

先にも述べたように、同じ業務を行うのであれば、免許は2つはいらないかな−とおもいます

ただし、基礎知識のない方でも、看護師への門戸を拡げるため、入学はより簡単にしてもらえると良いのかもしれません

入学を簡単にして、それなりに頑張って自らの知識が臨床にでてからも問題無いほどにあり、かつ国家試験に合格すれば准看護師免許は不要という気もします

 

修業年限がネックになるようでしたら、奨学金などもらえるようなシステムも必要かもしれません

 

まとめると、免許の種類というよりも、個人の能力のほうが大事だと思います

それは、卒後教育の問題や、臨床で看護師たちが看護師免許がなくてもできる仕事を多用しているからなのかもしれません(もちろん一部の看護師ですが)

医療界も、成果により報酬を得るようなシステムをそろそろはじめてもよいのかもしれません